みなさんこんにちは。
動物園でのルール・マナーと聞いて思い浮かぶものはあるでしょうか?
有名なものではカメラのフラッシュ使用禁止というのがありますね。
これはフラッシュの強い光が動物の目に良くない、ストレスを受ける、といった理由があるから禁止とされています。
動物園でのルール・マナーは大きく分けると
【動物への配慮】
【周囲への配慮】
この2パターンになります。
前述のフラッシュ禁止は言うまでもなく動物への配慮ですね。
このように、動物園内では日常生活とはちょっと違ったルール・マナーが存在します。
ではそれぞれでどのようなルール・マナーがあるか詳しく説明していきます。
【動物への配慮】
園内では絶対にゴミを落とさない
意外かもしれませんが、個人的に一番重要だと思うのがこれです。
園内の通路に落とした、あるいは故意に放置したゴミが風に飛ばされて
動物の獣舎や放飼場に入ってしまい、それを動物が誤って飲み込んでしまう場合があります。
ゴミがプラスチックやビニール製のものだと消化できず、
腸に詰まるなどして最悪の場合は死亡することもあります。
気付かず落としたゴミ、いらないものだからと放置したゴミが
あなたの知らぬ間に動物たちの命を奪う可能性があることを絶対に忘れないでください。
また、ゴミではないですが身に付けているもの(帽子等)が風で飛ばされて獣舎や放飼場に入ることもあります。
そういった場面では、当事者はもちろん目撃者でもいいので至急近くの飼育員さんや警備員・ボランティアさんに報告するか、
直接園に電話で連絡をしてください。
ゴミが獣舎内に入った場合も同様です。1分1秒の差が生死を分ける、なんてことも大げさではなくありえます。
食べ物を勝手に与えない
餌やり体験等以外では勝手に食べ物を与えることは厳禁です。
持ち込んだ人間の食べ物はもちろん、そのへんに生えている草や葉っぱをちぎって与えるのもいけません。
理由はおおまかにふたつあり、
ひとつはその食べ物が動物の食性に合っていないかもしれないこと。
人間の食べ物は基本的に塩分や脂質が多く、動物によっては体調を崩すなどあります。
またそのへんの草や葉っぱでも、もしかしたら毒を含んでいるかもしれません。
毒草を見分けられる知識なんてありませんよね?(あればしてもいいということでもありませんが)
もうひとつはそれぞれの動物たちに適正な量の餌を飼育員さんが考えて与えています。
勝手に食べ物を与えるのは健康管理の上でも迷惑な行為です。
ガラス・檻・柵などを叩かない
大きな音は動物のストレスになります。
ストレスくらい、と考えないでください。ストレスから病気になって死亡してしまう動物もいます。
また、単純に音に驚いて走り出し壁などにぶつかって怪我や死亡するという場合もあります。
寝ている動物を起こそうとしない
動物はそれぞれのリズムで生活しています。
夜行性・昼行性という性質の話ではありません。
「こっちはお金を払って来てやっているお客様なのだから、サービスしてもらって当たり前」という考えをお持ちでしたら今すぐ捨ててください。
動物園の動物はサービスするためにいるのではありません。
小さなお子様に「クマさん起きてー」などと叫ばせるのもお控えください。
特に遠足などの行事で訪れる団体の引率の方はお気をつけください。
それに寝ているときこそ動物をよりじっくりと観察できる機会です。
毛並みはどうなっていますか?蹄の形はどうですか?尻尾は?
見るところはたくさんあります。
カメラのフラッシュは使用禁止
フラッシュの強い光はストレスになるばかりか直接失明する危険性もあります。
オート設定になっていると、普段は光らなくても暗い部屋で光る場合もあります。
園内に入る前に必ずご確認をお願いします。
また、カメラによってはピント合わせのために赤外線を照射する機能(AF補助光)もありますがこちらもオフにしてください。
急に走る・傘を勢いよく開くなどの動作はしない
特に草食動物はそのような動きに敏感です。
驚いて走り出し壁などに激突して怪我や死亡する場合があります。
動物の気を引くため物(ぬいぐるみ・おもちゃ等)を振るなどの行為はしない
動物の種や年齢によってはこのような物に好奇心から反応する場合があります。
しかしその物をもらえるわけでもなく見せられただけではストレスに感じてしまうかもしれません。
「動物と遊んだ」のではありません。
「動物で遊んだ」のです。
動物に触らない
触れ合い体験やコーナーなどの認められた場合を除き、動物に触ることはやめましょう。
もちろん普通は簡単に触れたりできませんが、金網などのすぐ近くまで来ている動物に
手を伸ばせば届いてしまうときがあります。
そのようなシチュエーションが目の前にあっても、決して触ってはいけません。
細菌やウイルスによる感染症のおそれがあり、逆に人間から動物へ移してしまうことも考えられます。
さらにもっと単純に動物に噛まれたり引っ掻かれたりして怪我をするリスクもあります。
怪我くらい自業自得と甘く考えてはいけません、単に触るよりも感染症のリスクが高くなります。
また、触れ合いできる動物でも触ったあとは念入りに手洗いをしましょう。
自撮り棒などで柵を越えてスマホを近づけない
得体の知れないものを近付けることは動物のストレスになります。
雪玉を動物にぶつけない
冬になると、雪玉を動物に向かって投げつける行為が見受けられます。
なぜ雪玉ならぶつけても構わないと考えるのか不思議でなりません。
そのような野蛮な行為はやめてください。
個体への配慮
個体特有のお知らせ(◯◯は△△が苦手です、◯◯は体調を崩しています等)が獣舎などの前に掲示されていることがあります。
ルール・マナーに限らず大切なことが書かれているので必ず目を通すようにしましょう。
以上が動物への配慮のおもなルール・マナーです。
この他にも細かいことはあるかもしれませんが、
とにかく動物ファーストであるということを心掛けていれば大丈夫です。
自分や自分のお子様に置き換えて考えてみればわかることです。
自分がされて嫌なことは相手にもしてはいけない、当たり前ですね。
【周囲への配慮】
混雑時や狭い場所での観覧は譲り合って
動物が遊んでいたり餌を食べている時間は人だかりになりやすいので、
そんなときにサッと譲れるとスマートです。
しゃがんで見られる場所ならしゃがむのも配慮のひとつです。
特に小さなお子様は最前列に入れてあげてください。
また、傘(日傘、雨傘)を差している方は後ろへの気配りを忘れないようにしてください。
視界が大きく遮られていることがあります。
小さなお子様を手すり・柵などの上に立たせない
手前に柵などがある獣舎では背の低いお子様には見づらい場合がありますが、
だからと言ってその上に立たせる行為は大変危険ですし、衛生上もよろしくありません。
動物の前で悪口や暴言を言わない
その動物、その個体が好きで見に来ているお客様がいることを忘れないでください。
周囲への配慮とは、動物への配慮と異なり人間同士のことですので、
普段から常識的な社会生活を送り円滑なコミュニケーションが取れる方であれば何の問題もないでしょう。
その他
各園で異なるルール
動物園によって禁止事項が異なる場合もあります。
例えば札幌市円山動物園では積雪期になるとソリを持参する家族が大勢来園するというのは冬の風物詩でもありますが、
同じ北海道でも旭川市の旭山動物園ではソリの持ち込みは禁止となっています。
行く予定の園館のホームページを事前にチェックしておいてください。
(休園日だと知らずに行ってしまう悲劇も防げますので)
では、ルール・マナーを守って動物園を楽しみましょう!