シマフクロウのヒナが誕生し、元気に育っています! | 札幌市円山動物園
シマフクロウの卵が4月20日にふ化し、順調に育っていますのでご報告いたします。
円山動物園では、一昨年初めてシマフクロウのヒナ1羽(オス)が誕生しており、今回で3年連続での繁殖成功となります。
シマフクロウは、日本では北海道に生息している世界最大級のフクロウです。近年、生息地の減少や人間の立ち入り等の要因で数が減少し、北海道内の生息数は100つがい程度と絶滅が危惧されており、円山動物園は、環境省や他の動物園と協力して、シマフクロウの保全へ積極的に取り組んできました。
今回の繁殖は、昨年生まれた2羽の兄弟と親のクック(オス)とレイン(メス)の関係性が良好であったことから、通常隔離するところ同じ禽舎に同居したまま行いました。今回の成功は、希少種の保全において課題となる飼育スペースの確保につながり、より繁殖に取り組みやすくなるものと考えています。
ヒナが巣から出てくる巣立ちは6月初旬頃になる予定です。なお、飼育施設は非公開となっており直接御覧いただけませんが、一昨年生まれの個体は現在、正門近くにある猛禽舎にて展示しておりますのでぜひご覧ください。
1.ヒナについて産卵日:令和5年(2023年)3月16日
ふ化日:令和5年(2023年)4月20日
性別は不明です。
2.両親個体の情報
(1)父親
愛称:クック
生年月日:平成22年(2010年)4月16日釧路市動物園生まれ
来園年月日:平成24年(2012年)2月10日来園
(2)母親
愛称:レイン
生年月日:平成22年(2010年)生まれ(保護個体のため詳細不明)
来園年月日:平成26年(2014年)12月18日来園
その他:2010年の保護時に左翼が骨折しており、その後遺症で現在も飛行は困難
クックとレインの間での繁殖は3年連続となります。
2021年生まれのポッケは現在、正門から入ってすぐの猛禽舎の一番手前で展示されていますが、両親と2022年生まれの2羽、今年生まれの1羽は非公開の野生復帰ゾーンにおり、猛禽類野生復帰ガイドに参加すると見ることが出来ます。
というわけで野生復帰ガイドに参加してきました。
子と同居したままでの繁殖成功は大変珍しく、飼育スペースの点でも意義のあることなのでした。
父によるヒナへの給餌の様子も観察できました。
野生復帰ガイドでは、シマフクロウが置かれている現況や、野生復帰へ向けての取り組みなどを解説していただけます。
なお、今月のポッドキャスト番組「みんなの動物園」はテーマがシマフクロウとなっていますので、ぜひ聴いてみてください。
ポッドキャスト番組「みんなの円山動物園」 | 札幌市円山動物園
札幌市円山動物園
2023/6/17訪問






