
アジアゾウの「パール」(2003年9月12日生まれ、19歳)が、令和5年(2023年)8月19日(土曜日)に、無事に仔ゾウ1頭を出産しました。現時点で性別は不明です。
当園では、平成30年(2018年)11月にミャンマーからアジアゾウ4頭が来園して以降、繁殖に取り組んでまいりました。父親は「シーシュ」(2008年8月4日生まれ、15歳)です。
アジアゾウ「パール」は、今月に入り、出産か近づいてきた兆候と思われる行動が観察できるようになり、15日に黄体ホルモンの急激な低下が確認されました。アジアゾウでは、出産前に黄体ホルモンが急激に低下することが報告されており、同日から24時間の監視体制で見守っていたところ、19日21時50分ごろに陣痛が始まり、同日22時39分に1頭の仔ゾウを出産しました。
現在のところ、パールも仔ゾウも健康状態に異常はなく、授乳も確認されております。
なお、アジアゾウの出産は、当園では初、北海道でも初となります。また、当園が取り入れている準間接飼育下(※)でのアジアゾウの出産は、国内で初となります。
安心して仔育てできる静かな環境を用意するため、現在、ゾウ舎の屋内展示場は閉鎖しておりますが、状況を見守りながら、皆様に1日でも早くご覧いただけるよう、準備を進めてまいります。
1 アジアゾウの仔について
生年月日:令和5年(2023年)8月19日(土曜日) 22時39分頃
性別:不明
全長(頭からお尻まで):推定90cm程度
体重:推定90kg程度2 個体情報
(1) メス
愛称:パール
生年月日:2003年9月12日(19歳)
(2) オス
愛称:シーシュ
生年月日:2008年8月4日(15歳)3 当園での繁殖状況
なし
※国内では17例目。道内初。
※当園が取り入れている準間接飼育下(※)でのアジアゾウの出産は、国内初。
(※)準間接飼育:専用に作られた防護壁設備を介して飼育員や獣医師がゾウと同じエリアに入ることなく採血や体洗いなどの管理を行う飼育方法。ゾウにとってはストレスが少なく、飼育員や獣医師にとっても安全に飼育管理を行うことができる方法として、近年世界的に導入が進んでいる。
アクバルが朝旅立ったその日の夜、新たな命が生まれました。
ゾウの妊娠期間は22ヶ月とのことなので、逆算すると2021年11月前後にあった交尾で宿ったことになりますね。
残念ながらその時期に撮った写真がありませんでした(汗)。
生まれたばかりですのでまだ油断は出来ないですが、まずは授乳もあるようで一安心です。
このまま無事にすくすくと育つことを願っています。
パールの妊娠が判明してからゾウ舎は仔ゾウ対応のために色々改修し、そのなかのひとつに仔ゾウ用の体重計もあります。
体重90kgって、もう体重計乗れちゃったの!?と思ったら「推定」なんですね(苦笑)。
おそらく正確な体重を量ったりするのはもっと落ち着いてからになるでしょう。
まだ性別もわかっていない段階では気が早いですが、名前もどうなるか楽しみですね。
ではここで円山ゾウたちの名前についておさらいしておきましょう。
パール
- ミャンマーでの愛称:Pearl Moe(パールモー) 、意味:真珠の雨
シュティン
- ミャンマーでの愛称:Shu Thein Nu(シュ ティン ヌ) 、意味:しとやかな
ニャイン
- ミャンマーでの愛称:Nyein Shu Ngwe Soe(ニャイン ス グェ ソー) 、意味:温和
シーシュ
- ミャンマーでの愛称:Si Shwe Thit(シー シュエ ティ) 、意味:金(ゴールド)
ミャンマー時代の愛称を短く言いやすくした名前になっています。
10候補の中から投票で選ばれたのですが個人的に本当にこれに決まって良かったと思っています。
ニャインはお姉ちゃんになったのだから(血縁的な意味でなく)、赤ちゃんとたくさん遊んで、将来の自分の子育てにもその経験を活かしてほしいなと思います。
シュティンもパールの子育てをサポートしてほしいけど、してくれるのかな?(パールとシュティンの関係が微妙なので…)
関連リンク
札幌円山動物園でアジアゾウが出産 「準間接飼育」では国内初 | NHK
アジアゾウ出産、準間接飼育では国内初 札幌の円山動物園 | 朝日新聞