モンキーハウスのエンリッチメント

モンキーハウスは撮影が難しい(外は網目の細かい檻、冬の室内はレンズが曇る)こともあってそんなに頻繁には訪れていなかったのですが、先日行ってみたら「あれ?ここってこんなにフィーダーあったかな?」と思っていたところ、タイミング良くモンキーハウスガイドが行われたので拝聴してきました。

※フィーダーとは

給餌器または、給餌装置のこと。採食エンリッチメントにたびたび用いられます。動物が採食行動についやす時間を延長させたり、種特有の採食行動を発現させるような構造やタイミング、配置にすることで、野生本来の採食環境を再現できるように工夫されたものが多いです。

フィーダー | 用語解説一覧 | SHAPE-Japan より引用

フィーダーは専用に開発されたものもありますが、多くの場合は飼育員さんの手作りです。ポリタンクやブイなどの耐久性のあるものや、ペットボトルなど入手しやすいものなど様々です
フィーダーは専用に開発されたものもありますが、多くの場合は飼育員さんの手作りです。ポリタンクやブイなどの耐久性のあるものや、ペットボトルなど入手しやすいものなど様々です

 

こちらはファンの方が3Dプリンターで作成したオリジナルフィーダー。すごい
こちらはファンの方が3Dプリンターで作成したオリジナルフィーダー。すごい

 

動物の特性に合わせたフィーダー


 

しかしガイドが始まると同時に突然の大雨となり、屋外ではフサオマキザルとエリマキキツネザルの両者の餌の取り方の違いについての解説だけで終わってしまいました。

フサオマキザルは手を使って取ります
フサオマキザルは手を使って取ります

 

一方エリマキキツネザルは口で取ります
一方エリマキキツネザルは口で取ります

 

急遽室内にも餌が配置されて、フサオマキザル、エリマキキツネザル、ワオキツネザルは室内での給餌の様子を見ることが出来ました。

ロープにぶら下がりかごの中の餌を取り出したいエリマキキツネザル
ロープにぶら下がりかごの中の餌を取り出したいエリマキキツネザル

 

ミニトマトを取りたいエリマキキツネザル
ミニトマトを取りたいエリマキキツネザル

 

ワオキツネザルはおなか減ってないのか採食行動は見られませんでした
ワオキツネザルはおなか減ってないのか採食行動は見られませんでした

 

クルミを食べるフサオマキザル
クルミを食べるフサオマキザル

 

多層構造になっていて何度も振らないと中のブドウが落ちてこない仕掛けになっています
多層構造になっていて何度も振らないと中のブドウが落ちてこない仕掛けになっています

これを見てカイジのパチンコを思い出しました(わかる人はわかる)(笑)

 

個人的にはこれが一番興味深かったです。残念ながらフサオマキザルが食べに来る姿は見られませんでしたが、タイミングが合えばきっと感心しながら見るでしょう。

スプーンを使わないと中の餌が取り出せない仕組み。フサオマキザルの知能の高さを見ることが出来ます
スプーンを使わないと中の餌が取り出せない仕組み。フサオマキザルの知能の高さを見ることが出来ます

 

フサオマキザルは類人猿以外では唯一道具を使うと言われているとても賢いサルなのです。

 

時間を置いて再び見に行くと、残りのサルたちもみんな室内に収容されていました。

フィーダーから餌を取り出すブラッザグエノン
フィーダーから餌を取り出すブラッザグエノン

 

餌を食べるブラッザグエノン
餌を食べるブラッザグエノン

 

多数のフィーダーが吊るされたブラッザグエノンの部屋
多数のフィーダーが吊るされたブラッザグエノンの部屋

 

餌を食べるダイアナモンキー
餌を食べるダイアナモンキー

 

餌を食べるダイアナモンキー
餌を食べるダイアナモンキー

 

ダイアナモンキーの部屋には乾燥した葉つきの枝が束になって置かれていますが飾りではありません。この中に野菜などを隠します
ダイアナモンキーの部屋には乾燥した葉つきの枝が束になって置かれていますが飾りではありません。この中に野菜などを隠します

 

ニンジンを見つけたドグェラヒヒ
ニンジンを見つけたドグェラヒヒ

 

ニンジンを取ったドグェラヒヒ
ニンジンを取ったドグェラヒヒ

 

消防ホースを編み込んで作られたフィーダーがたくさんあるドグェラヒヒの部屋
消防ホースを編み込んで作られたフィーダーがたくさんあるドグェラヒヒの部屋

 

マンドリルは休憩中でした
マンドリルは休憩中でした

 

尻尾が輪の模様だからワオキツネザル
尻尾が輪の模様だからワオキツネザル

 

水桶の上でバランスを取るワオキツネザル
水桶の上でバランスを取るワオキツネザル

 

ワオキツネザルの部屋
ワオキツネザルの部屋

 

卵の殻のようなものが見えました。ゆで卵かな?
卵の殻のようなものが見えました。ゆで卵かな?

 

まったく手がついていないミニトマト。おいしそうなのに
まったく手がついていないミニトマト。おいしそうなのに

 

このあとスーパーに寄って買い物をしたのですが、ついミニトマトを買ってしまいました(笑)

しかし玉子は10個入り1パック300円くらいのはもちろん売り切れ、同780円の高級品はありましたがさすがに手が出せず(汗)

もう数ヶ月玉子を買えていません。

(何年か後に読んでもわかるように書いておくと、鳥インフルエンザの影響で玉子が品薄になっています)

 

話がそれてしまいました。

 

なお、今回写真はありませんが屋外の部屋にもフィーダーが設置されています。

ぜひ足を止めてじっくりと観察してみてください。

今モンキーハウスが熱いですよ。

円山動物園では、ホッキョクグマ館やゾウ舎、さらには来春オープン予定のオランウータン館と、新しくて動物への配慮が行き届いた施設が次々とつくられています。

一方、未だ多くの動物園は施設を更新できずに古いままというのが現状です。

円山でもモンキーハウスは昭和59年建設とかなり古く、動物たちにとって快適とは言い難いかもしれませんが、限られた環境の中でも工夫して最大限に動物の幸福を追求していく、というのが動物園のあり方だと思います。

 

札幌市円山動物園

2023/06/29訪問

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